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こだわりが尋常じゃない限定品【TANCHJIM ORIGIN Lost Manor レビュー】

どーも!おたつです。いつも見ていただきありがとうございます。

今回紹介するのは、TANCHJIMの10周年記念モデルとして登場した限定イヤホン、「TANCHJIM ORIGIN Lost Manor」になります!

ORIGIN無印版のシンプルな感じとは違い、外観で「何このイヤホン?」と思う方も多そうですが…その実力はどうなのか?音楽用としてはもちろん「FPSゲームで使えるのか?」をしっかりと解説できたらなと思います。

当記事の執筆にあたって、TANCHJIMさんからDEMO機を貸していただきました。
※私のブログやYouTubeチャンネルでは、音楽用のイヤホンをゲーミングイヤホンとして、FPSゲームで快適に使えるのか検証しております。

TANCHJIM ORIGIN Lost Manorとは?

先ほども触れましたが、TANCHJIMの10周年を記念した特別なモデルで、全世界3000個限定の販売となります。通常版の「ORIGIN」も、繊細な音作りでかなり評価が高かったですけど、今回のLost Manorは、単なるデザイン違いじゃないです。

価格は通常版の約250ドルから、一気に600ドル(日本円で約7万円オーバー)と、かなりプレミアムな立ち位置になりました。ドライバーもDMT 5 Ultraに更新されて、中身も別物。よりリッチでウォームな、音楽的な響きを重視したモデルに仕上がっています。

フェイスプレートには「浅野てんき」ちゃんと紋章もんしょうがレーザー刻印されていて、見た目の満足度がめちゃくちゃ高いです。正直、7万円超えと聞くと「高い!」って思いますけど、付属品の豪華さや、世界観へのこだわりを見ると「むしろ安い?」と思わされる不思議な魅力を持ったイヤホンだと思います。

内容物チェック

まず、箱がデカい。 ミドルクラスのイヤホンのパッケージとは思えない、圧倒的な物量です。深緑の豪華な箱を開けると、世界観に引き込まれます。

主な内容物

  • イヤホン本体(シリアルナンバー入り)
  • プラグ交換式ケーブル(3.5mm / 4.4mm / USB-C
  • イヤーピース(T-APB 6ペア)
  • 交換用ノズル(3種)
  • PVCレザー製収納ケース(てんきちゃんデザイン)
  • アートブック/ステッカー
  • フェイスプレート保護用カバー

内容物ヤバくないですか? 特に目を引くのがアートブック。メーカーの本気度が伝わってきます。もはやオーディオ製品の付属品じゃない(笑)

ケーブルも太くてしっかりしていますが、その分、ちょっと重さはありますね。 そして実用的な交換用プラグ。3.5mm、4.4mmバランスはもちろん、USB-Cプラグが付属してます。これを使うと、TANCHJIMの専用アプリでイコライザー調整までできちゃう。このあたり、本当に多機能ですよね。

あと、地味に嬉しいのが「保護カバー」。 この美しいフェイスプレート、傷つけたくないじゃないですか。そのための樹脂製カバーが最初から付いてるあたり、メーカーの「わかってる感」がすごいです。

TANCHJIM ORIGIN Lost Manor 【評価】

イヤホン性能評価表

TANCHJIM ORIGIN Lost Manor の性能を、主要な評価項目ごとに5段階(1:悪い – 5:非常に良い)で評価しました。 FPSゲームでの使いやすさがメイン評価になりますが、ぜひ参考にしてみてください。

音の印象: 高級感のある暖かさと繊細さを併せ持つゆったりとしたサウンド
評価項目 TANCHJIM ORIGIN Lost Manor
解像度(どれだけ細かく表現できてるか) ⭐⭐⭐⭐⭐
低音 ⭐⭐⭐
中音 ⭐⭐⭐⭐
高音 ⭐⭐⭐⭐⭐
分離感(音数が多くても聞き取れるか) ⭐⭐⭐⭐⭐
見通しの良さ(音の隙間に余裕があるか) ⭐⭐⭐
音の立ち上がり/抜けはFPSゲームに適切か ⭐⭐⭐⭐
音の輪郭をハッキリ感じ取れるか ⭐⭐⭐⭐
聴いてて疲れないか(長く使い続けられるか) ⭐⭐⭐⭐⭐
音場(空間の表現はFPSゲームに適してるか) ⭐⭐⭐⭐
定位感(敵の位置/方向をしっかり把握できるか) ⭐⭐⭐⭐⭐
音から感じ取れる遠近感(足音の距離判別ができるか) ⭐⭐⭐⭐
違和感のない音の認識(自然な感覚/意識で索敵ができるか) ⭐⭐⭐
装着感(万人の耳にフィットしそうな形状か) ⭐⭐⭐⭐
充実した内容物(セット内容だけで完結可能か) ⭐⭐⭐⭐⭐
コストパフォーマンス ⭐⭐⭐⭐

約70,000円クラス評価 / 100点満点中 / 80点
(内訳☆評価表80点☆好み点20点)

では、肝心の音質評価ですが、 イヤーピースは付属の広口タイプ(T-APB)を使用しました。通常版のORIGINが持っていた「軽やかさ」「繊細さ」とは、方向性が結構変わったように思います。特に中低域の細部と厚みが豊かになりましたね。音楽的にとても豊かになりました。

正直、これだけのキャラクター性が強いイヤホンなので、音は二の次かな…って思ったらダメですよ。TANCHJIM製品は丁寧なモノ作りをしてますから。

低音域

まず低音からいきましょう。通常版のORIGINで、人によっては「ちょっと軽いかな」と感じたかもしれない低域が、Lost Manorでは軽さが無くなりましたね。

ミッドベース(中低域)にフォーカスが当たっていて、弾力とアタック感のある低音です。 サブベース(超低域)が深く沈み込むタイプではないんですが、ベースラインやドラムのキックが、太さと迫力を持ってしっかり音楽の土台を支えてくれる感じですね。

音楽的な楽しさがより強化されて、豊かな低音を好む方も満足できると思います。

中音域

そして中音域はTANCHJIMの得意なところですね。ボーカルに焦点を当てたチューニングなのがしっかり伝わってきます。女性ボーカルを聴いてる時の癖になるような心地良さ。

クリアなんですけど、温かみがあって、刺さりが一切ない。 ボーカルが優しく耳を包み込むように響いて、異様なほど気持ちいいんですよ。音量を上げてもキツくならず、ただただ心地いい。

楽器の音も密度感があって、中低域が豊かになった分、男性ボーカルの「響き」も贅沢に聴けるようになりましたね。

高音域

高音域も相変わらず美しいですね。 解像度はしっかり高いんですが、全体のウォームなバランスを崩さないように、絶妙なところでコントロールされてる印象です。スカッとする高音ではないです。

もちろん通常版の繊細さは失われておらず、耳障りな音は一切ないですね。、温かいサウンドの中で、シンバルやハイハットのディティールが際立つ、上品な鳴り方です。

音場(空間表現)と定位【FPSゲーミング評価】

上流は写真の試作機とFiio K9 PROを使用しました

まずは使った上流ですが、いつもの2機種に加えて付属のTypeC USBでも使ってみました。十分に音は取れますし聴けます。TANCHJIM製品はこれがあるので最悪上流なくともある程度の音質で聴ける環境になるのが強いですよね。
EQを使わずデフォルト状態だと結構迫力が前面に出るような音なので「ナチュラル」設定が落ち着いてて良いように思いました。

ちゃんとした上流を使えば心地良さが更に出るので、Fiio K9 PROクラスを使えば音楽的な表現を更に楽しむ事ができますね。ifi neoidsd(ipower elite使い)でも聴きましたが、ダイナミックさが強くなりごちゃごちゃしたので、K9 PROの方が良かったです。

試作機では低音の表現を完全にできないみたいでスッキリとしたサウンドになります。ゲームではこちらの方が良いので構いませんが、意図してない音だと思うので鳴らし切れてるとは言えませんね。まあ、試作機はそういう鳴り方になるよう調整してるので良いんですけど。

さて、話を戻してゲーマーの皆さん、お待たせしました。 FPSゲームでの実力がどんなモノかお伝えしていきます。

まず空間表現ですが、これは通常版から進化しています。 通常版が「横方向に広いステージ」だとしたら、Lost Manorは「上下方向にも広がりを感じる、立体的な空間」になっています。頭を包み込むような鳴り方ですね。

そして情報量が増えてる関係で音のスッキリ感こそ落ちてますが、音の量に対して分離感は向上しているように感じます。無印版の方が音の密集感が抑えられてるので、見通しは当然良いです。

これをFPS(APEX、VALORANT、BF6)で使ってみると…正直に言いますが「音楽鑑賞の良さが、FPSでは少しクセになる」という印象です。

まず、音場が立体的で分離感が良いのは、FPSにおいて明確なアドバンテージです。敵がどの方向、どの角度にいるか掴みやすいですからね。問題は、豊かになった「中低域」で… 音楽、特にボーカルを聴くには最高だったミッドベースの厚みが、ゲームだと「爆発音」や「銃声」にも迫力を与えてくれます。これはこれで楽しいんですけどね。

これではゲーマーの一番知りたい「足音」の聞き分けや、遠くの音を捉えるという点において、この豊かな響きが邪魔をしてきます。わずかに音の輪郭をマスクしてしまう(ぼやかしてしまう)感じがあるんですよね。

分離や定位が悪いわけじゃないんです。音の方向もわかりますし。 でも音楽的な「響き」や「太さ」が乗ってくるせいで、敵の足音だけを分析的に聴きたい場面では、ちょっと情報量が多いんです。使えないわけじゃないんだけど…最適だとは言えない感じ。

かなりポテンシャルのあるイヤホンだとは思ってるので、USB-C接続でアプリを使ってEQで中低域を少し抑えてやるとか、工夫次第でどのジャンルでもいけるようには感じました。

TANCHJIM ORIGIN Lost Manor 【良い点/気になる点】

良い点

  • 圧倒的な世界観と所有欲
    100ページのアートブック、豪華なパッケージ、美しい本体デザイン。もうオーディオ機器を超えたコレクターズアイテムで所有する喜びは半端ないと思います。
  • ボーカルの異様な気持ちよさ
    中音域、特にボーカルの表現力は本当に素晴らしいです。温かく、自然、ずっと聴いていたくなる音ですね。
  • 実用的な付属品
    3.5mm、4.4mmに加えて、アプリでEQが使えるUSB-Cプラグまで付属するのは、本当に実用的でセットを買えばメーカーの届けたい音を聴けます。そしてイヤホンを大事に使ってねと言わんばかりの保護カバーを付けてくれる配慮も良いですね。

気になる点

  • ゲーマーにとっては必要ない要素がグレードアップ
    ゲーマー向けの商品ではないので文句を言うのもあれですが、音楽を気持ち良く聴く要素が強めにグレードアップしてます。音楽的には最高なミッドベースが、FPSでは少し迫力が出すぎたりしますからね。
  • デザインと重量
    これはもう宿命ですが、このデザインを外で使うには少し勇気が要りますよね。あと、ケーブルが太く重さもあるので、装着感は少し重めです。
  • 限定3000個
    このタイミングを逃すと中古以外で購入できなくなるので…もし欲しい方がいるのなら入荷したら買いましょう!結構売り切れ続いてるので、評価も良く期待されてるのかなと思います。

こんな人にオススメ(まとめ)

TANCHJIM ORIGIN Lost Manorは、単なる「痛イヤホン」ではなく、メーカーの技術と「好き」という情熱が詰め込まれた、10周年にふさわしいモデルだと感じました。

こんな人にオススメ

  • TANCHJIMのファン、または「浅野てんき」ちゃんが好きなコレクターの方 (これはもう買うしかないです。アートブックだけでも価値があります)
  • 音楽、特にボーカルの質を最優先する方
  • 通常版ORIGINの音をベースに、豊かで立体的なサウンドを求める方

逆に「FPSでの勝利だけを最優先する」「ニュートラルで分析的な音が好き」という方には、ちょっと音の傾向が合わないかもしれません。ORIGIN無印版の方が両立はさせて使いやすいと私は思います。

音楽鑑賞をメインにしつつ、たまにゲームも楽しみたい、そして何よりこの世界観が好き!という方にとっては、唯一無二の最高のイヤホンになると思います。気になった方は、ぜひチェックしてみてください。 最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!

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