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定番ゲーミングイヤホンになれるのか【SONY INZONE E9 レビュー】

どーも!おたつです。いつも見ていただきありがとうございます。 今回紹介していくのはSONYのゲーミングイヤホン「INZONE E9」になります!ヨドバシドットコムで予約して、到着するのを楽しみにしてた製品です。

SONYと言えば、オーディオ好きなら知らない人はいないメーカーですよね。そんなSONYが本気でゲーミングデバイスを作ったらどうなるのか?個人的にかなり気になってました。 しかも、ただのゲーミングイヤホンじゃない。プロeスポーツチームの「Fnatic」と共同開発したっていうんだから、これはもう期待しない人いないでしょ?

お値段は少し張りますが、PCソフトで音質をイジれる面白い機能もついてます。先に価格をチェックしたい方は、下記のリンクからそれぞれの販売サイトに飛んでみてください。

※私のブログでは、音楽用のイヤホンに限らず、今回のようなゲーミングデバイスもFPSゲームで快適に使えるのか検証しております。

動画版もあります

INZONE E9 とは?

まず、お値段の話からいきましょう。このINZONE E9、約18,000円前後で入手可能です。ゲーミングイヤホンとして見ると、なかなかの価格帯ですよね。ドライバーは5mmの超小型な物が使われています。非常に珍しいです。

一番のウリは、なんといってもプロチーム「Fnatic」と共同開発したという点。これはただの監修とかじゃなくて、開発段階からガッツリ組んで、「どうすれば勝てる音になるか」を突き詰めてるってことですね。そりゃ製品に期待しますよ。

そして、もう一つの特徴が「圧倒的な装着感」。 SONY独自のイヤーピースと、耳にしっかりフタをする構造で、周りの音も物理的にカットしてくれます。オフライン大会とか、周りが騒がしい環境でプレイする人にとっては、遮音性も重要ですからね。

専用のPCソフト「INZONE Hub」も用意されてて、イコライザーで自分好みのサウンドにカスタムできる。ゲーマーの求めてる事は一通りカバーできてるようですね。

内容物チェック

さて、内容物をチェックしていきましょう。イメージカラーの紫を基調とした箱を開けると、洗練された付属品が出てきます。開封体験がスマートで美しいなと思いましたね。

  • INZONE E9 イヤホン本体
  • USB Type-C オーディオボックス
  • ノイズアイソレーションイヤーピース(XS, S, M, Lの4サイズ)
  • ハイブリッドイヤーピース(XS, S, M, XLの4サイズ)
  • キャリングケース
  • ケーブルバンド
  • 保証書などの書類一式

セット内容としてはコンパクトに収まってますが、豪華に見えますね。特にイヤーピースが2種類、しかもサイズも豊富に揃ってるのはポイント高いですね。遮音性重視のイヤピと、バランス型のイヤピ。これだけあれば、誰の耳にもピッタリ合うものが見つかると思います。

そして今回の目玉は、この写真の右側に収まってる「USB Type-C オーディオボックス」でしょうか。 これはいわゆる「DAC」とか「アンプ」ってやつで、これを通すことで音がクリアになったり、力強くなったりする仕組みですね。

このイヤホンの良さは、高価な上流(DAC/アンプ)を買わなくても、これ一つである程度の音が聴けるという所にもありますね。もちろん、良い上流を使った方が音は良くなりますが、PCに直挿しでもしっかり性能を発揮してくれるのは助かります。

開封体験が洗練されてるように感じて、日本メーカーらしい物へのこだわりを感じました。製品以外の部分も完璧に仕上げる、流石だと思います。
だからこそ日本メーカーをもっと応援したい…

INZONE E9 評価

イヤホン性能評価表

INZONE E9 の性能を、主要な評価項目ごとに5段階(1:悪い – 5:非常に良い)で評価しました。 FPSゲームでの使いやすさがメイン評価になりますが、ぜひ参考にしてみてください。

音の印象: ニュートラルで耳当たりの良い、優しいドンシャリ系
評価項目 INZONE E9
解像度(どれだけ細かく表現できてるか) ⭐⭐
低音 ⭐⭐
中音 ⭐⭐⭐
高音 ⭐⭐⭐⭐
分離感(音数が多くても聞き取れるか) ⭐⭐⭐
見通しの良さ(音の隙間に余裕があるか) ⭐⭐⭐
音の立ち上がり/抜けはFPSゲームに適切か ⭐⭐⭐⭐
音の輪郭をハッキリ感じ取れるか ⭐⭐⭐⭐
聴いてて疲れないか(長く使い続けられるか) ⭐⭐⭐⭐⭐
音場(空間の表現はFPSゲームに適してるか) ⭐⭐⭐
定位感(敵の位置/方向をしっかり把握できるか) ⭐⭐⭐
音から感じ取れる遠近感(足音の距離判別ができるか) ⭐⭐⭐
違和感のない音の認識(自然な感覚/意識で索敵ができるか) ⭐⭐⭐
装着感(万人の耳にフィットしそうな形状か) ⭐⭐⭐⭐⭐
充実した内容物(セット内容だけで完結可能か) ⭐⭐⭐⭐
コストパフォーマンス ⭐⭐⭐

約20,000円クラス評価 / 100点満点中 / 64点
(内訳☆評価表80点☆好み点20点)

さて、音質評価になりますが、5mmのドライバーを採用したりと、挑戦した製品なので面白くはあります。ただ、色々と気になる部分が目立ってしまう音だったのも正直に伝えていきます。

プロゲーマーはスポンサー絡みで使わないといけないモノがあるから、沢山のデバイスに触れて比較出来てるわけではないのかな?と。私が気になる程度の事は開発段階で気づくような気がしたもので…

音域の部分ではどんな音か?ってところをメインに、FPSゲーミング評価ではどんな使い心地になるのか伝えていけたらなと思います。

低音域

まずは「低音」ですが、INZONE E9の低音は、スピード感とキレがあります。「ドーン」と響くような量感の多い低音ではなく、輪郭はくっきりしていて、一音一音のアタックがタイト。

ただ、体に響くような重低音、いわゆるサブベースはかなり控えめです。なので、迫力重視の低音が好きな方からすると、物足りなさを感じるかもしれません。 これはもう意図的で、足音とかの重要な音を邪魔する帯域を、あえてカットしてるんでしょうね。とにかく見通しの良いクリアな低音を目指したのだと思います。

中音域

そして中音ですが、ボイチャをする事をかなり意識してチューニングしてるように思います。他の音をマスクしないようにしっかり調整されてますね。中音にフォーカスしながらも他の音を聞き取りやすくするようなイメージでしょうか。

変な色付けがなく、どこまでも自然。刺激的なトゲトゲしさは一切なく、長時間プレイしても聴き疲れしにくいようになってます。あえてここは解像度を少し落として、疲れ軽減させてる説も。

高音域

最後に高音ですが、見通しが良くスーッと伸びていく響きが特徴かなと。 耳に刺さる感じはゼロですね。長時間利用を想定して優しめに仕上げてます。

個人的には、もう少し高音で作る、上に広がるような開放的な空気感/空間表現みたいなのがあれば理想だろうなと思いました。 そうは言っても、耳に刺さる成分をうまく抑えつつ、必要な情報を届けてくれる良いチューニングになってるとは思います。

音場(空間表現)と定位(FPSゲーミング評価)

付属ドングル以外に上流は試作機とFiio K9 を使いました。

さて、ゲーミング評価をしていきますが、ドライバーの大きさが足を引っ張ってるように思いました。5mmのドライバーでこれだけの音を表現できるのはすごいと思うのですが、やっぱり色々と足りてない部分が多いです。

まず、解像度が不足しすぎてて、音を聴き分けたいのにボワボワしたモヤみたいなのが浮かんできて、分離まで悪くなってしまってます。これで重低音まで出てたら聴けたもんじゃなくなってたと思います。特に低音の解像度が低い部分が目立っており、もっとクリアなら聞き逃さないのにって事が多かったです。定位もそれに伴って音の繋がりがいまいちになるので、分かりづらくなるという悪循環…

チューニング自体は分かってやってるように思うので、FPSゲーム向けだとは思います。ただ、基礎的なスペックが不足しており、それがかなり足を引っ張っています。つけ心地と耳当たりの良さに全振りしてるようにさえ思う…

パッケージや内容物、筐体など洗練されてるのにホント勿体ないです。日本メーカーの良さが出てるけど、ドライバーを小さくした代償が大きすぎたのだと思います。

上流は付属のドングル+いつものセットで検証しましたが、良い上流ほど音の粗が見えてダメでした。あくまでも付属のドングルと合わせて使うのを想定してるのだと思います。

また、着脱式ケーブルなのでリケーブルで何とか改善できないのか?考えました。mmcxの手元にある物は全て使えたので、リケーブル持ってる方は試しても良いと思います。

リケーブルは「シャキッとさせる」を目標に純銀線からミックス線色々と使いましたが、以前も紹介した事のあるNICEHCK BlackCatが一番使いやすかったです。AmazonにはもうUltraしかない?

もし購入する場合はmmcxタイプの3.5mmで良いと思います。なぜ?バランス接続は?と言われそうですが、アンバランス接続前提の製品だと思うからです。アンバランス接続で付属のドングルと合わせて使う。これがINZONE E9の使い方だと思います。ちなみに音楽を聴くのなら純正ケーブルのが滑らかで耳当たり良いので、あくまでもゲーム用途と思ってください。

装着感や美的センスの高さは中華系イヤホンで感じた事ないレベルなのですが、つけ心地を重視しすぎたドライバーの大きさと「これくらいの音で良いだろう」と妥協したのか?分かりませんが「チューニングは良いけど、基礎性能が足りてない」そんな印象を受けてしまうイヤホンでした。

日本企業ならではの丁寧な物作りは感じられたので、あと一歩だと思います。
国外の企業が真似できないくらいの物を作る力はまだ日本にあるはずです。
ここでダメと思わず、引き続き私は応援してます。

INZONE E9【良い点/気になる点】

さて、ここまで色々と話してきましたが、INZONE E9を実際に使ってみて感じた「良い点」と、正直に「気になる点」をポイントで伝えていきます。

良い点

  • 長時間でも快適な装着感
    軽量でコンパクトなので、ヘッドセットが苦手な人にもおすすめです。全然疲れません。
  • 洗練されたデザインと付属品
    日本企業ならではの丁寧なモノ作り、2種類のイヤーピースやケースなど、豪華な内容物で所有欲も満たしてくれます。

気になる点

  • ドライバーの大きさが足を引っ張っている
    意図的に解像度を落とすとかそんなレベルではなく、そもそも音がぼやけてしまってる部分が目立つ。これさえ無ければもっと評価は上がってました…
  • 重低音の迫力は控えめ
    ズシンと響くような低音が好きな方には、かなり物足りなく感じると思います。アクションゲームなどで臨場感を味わいたい方には向かないです。
  • USBドングルはPS5では音が小さくなる
    SONY製なのにコンソールゲーム機で使うのは全く想定していないです。

こんな人にオススメ(まとめ)

ここまでお付き合いいただき、ありがとうございます。SONY INZONE E9の魅力、少しでも伝われば幸いです。ただ、期待が大きかった分、かなり辛口評価となってしまい残念に思います。もし買うのなら…

  • 装着感が快適なイヤホンを求めてる人
  • 日本企業の販売するゲーミングイヤホンが欲しい人

音楽もゲームもそつなくこなす優等生タイプではないし…むしろFPSで勝つこと以外をすべて切り捨てた、超ストイックなイヤホンなので購入者も選びます。色々比較したことが無い人であれば、FPSゲームで使いやすいって評価になるのかもしれません。

従来のゲーミングイヤホンに比べたら音は研究されてるように思ったし、レベルも高いんですけどね。(某ゲームメーカーのイヤホンはホント酷かったよ)ということで、次回作の音作りに参加したいです。(できるわけない)

かなり辛口評価ではありますが、もし気になった方は下記のリンクからチェックしてみてください。

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