どーも!おたつです。いつも見ていただきありがとうございます。
今回は、日本のメーカーHID-Labsさんから、とんでもないイヤホンが登場したので、レビューしていきたいと思います。「HID-Labs DETECT」ですね。
見た目から、正直買うのを躊躇してたのですが、日本のメーカーさんを応援したい気持ちから、買って評価する事にしました。
このイヤホンについての情報は沢山出てたかと思いますが「FPSの競技シーンで勝つこと」だけに全てを捧げた、超特化型のチューニングが施されてるんだとか。ただひたすらに、ゲーム内の音から敵の位置を探り、勝利を掴むための「武器」として開発された一本らしいです。
実際こんな製品をずっと待ってたし、自分でも作りたいくらいです。自分ならもっとこうする!って思う部分もそりゃ出てきますからね(笑)専門的なレビューを出来る限りしますので、最後までお付き合いいただけますと幸いです。
当記事では個人的に購入した物をレビューしております。
※私のブログやYouTubeチャンネルでは、音楽用のイヤホンをゲーミングイヤホンとして、FPSゲームで快適に使えるのか検証しております。
HID-Labs DETECTとは?

まず、このDETECTが何を目的として作られているかを理解してもらいたいんですが…
普通のイヤホンって、音楽を楽しく聴かせるために、低音をしっかり鳴らしたり、音に響き(残響)を加えて迫力を出したりします。でも、DETECTはその真逆で「音楽的な味付け」を徹底的に排除したイヤホンとなってます。
FPSゲームのサウンドは正確な位置情報を含んだ音(HRTF処理された音)を出力してるらしく、そのゲーム側が作った情報に色を付けず、そのままを耳に届ける事を意識してるようです。なので普段使いのイヤホンとは聴こえ方がかなり異なるのは覚えておきましょう。
ちなみに、設計から組み立て、検査まで全ての工程を日本国内で行っているという「日本品質」にこだわっており、私が応援する理由にもなってます。
内容物チェック


パッケージを開けると、ちょっと不安になるような筐体ですが、日本製を信じましょう。
- 説明書
- Westone Audio製イヤーピース(STAR™ Silicone)
- AIMTuneモジュール
- 3.5mm-3.5mmケーブル(15cm)
- シリコーンバンド
まず注目したいのが、イヤーピースが老舗ブランドのWestone Audio製となってます。使った事はなかったのですが、遮音性が高くて装着感も良いと評判。
そして「AIMTuneモジュール」。これはDETECTの心臓部とも言えるパーツで、後で詳しく解説しますが、これを使わないとこのイヤホンはイマイチになります。
ケーブルもただのケーブルじゃなくて、極細でしなやかなestron Linum® Musicケーブルが採用されています。
この音を実現するには仕方なかったのかもしれないですが、見た目とケーブルの細さには不安しかないって人も多いんじゃないでしょうか。そんな風に思います。
HID-Labs DETECT 評価

HID-Labs DETECT の性能を、主要な評価項目ごとに5段階(1:悪い – 5:非常に良い)で評価しました。 FPSゲームでの使いやすさがメイン評価になりますが、ぜひ参考にしてみてください。
| 評価項目 | HID-Labs DETECT |
|---|---|
| 解像度(どれだけ細かく表現できてるか) | ⭐⭐⭐ |
| 低音 | ⭐⭐⭐⭐⭐ |
| 中音 | ⭐⭐⭐⭐ |
| 高音 | ⭐⭐⭐ |
| 分離感(音数が多くても聞き取れるか) | ⭐⭐⭐⭐⭐ |
| 見通しの良さ(音の隙間に余裕があるか) | ⭐⭐⭐⭐⭐ |
| 音の立ち上がり/抜けはFPSゲームに適切か | ⭐⭐⭐⭐⭐ |
| 音の輪郭をハッキリ感じ取れるか | ⭐⭐⭐⭐⭐ |
| 聴いてて疲れないか(長く使い続けられるか) | ⭐⭐⭐ |
| 音場(空間の表現はFPSゲームに適してるか) | ⭐⭐⭐⭐⭐ |
| 定位感(敵の位置/方向をしっかり把握できるか) | ⭐⭐⭐⭐⭐ |
| 音から感じ取れる遠近感(足音の距離判別ができるか) | ⭐⭐⭐⭐⭐ |
| 違和感のない音の認識(自然な感覚/意識で索敵ができるか) | ⭐⭐⭐⭐ |
| 装着感(万人の耳にフィットしそうな形状か) | ⭐⭐⭐⭐⭐ |
| 充実した内容物(セット内容だけで完結可能か) | ⭐⭐⭐ |
| コストパフォーマンス | ⭐⭐⭐ |
約25,000円クラス評価 / 100点満点中 / 86点
(内訳☆評価表80点☆好み点20点)
さて、いよいよ音の評価に入っていきますが、いつもの評価軸とは少し変えて、「いかにFPSで有利か?」という点に絞って伝えようと思います。モジュールを使わないとDETECTは音がイマイチになるので、付属モジュールは絶対に使いましょう。
低音域
まず低音域ですが、かなりスッキリと抑えられています。音楽を聴くと「サブベースどこ行った?」ってなるくらいで、音楽用途のチューニングとはかなり異なります。
ゲーム専用チューニングだけあって、爆発音や銃撃の中でも、敵の足音やリロード音がくっきりと浮かび上がってきます。大きな低音に他の音が消されるのを意図的に防いでるんですね。伸びや余韻を無くすような処理もされてるので、分離感という意味ではかなり強いと思います。
低音は少なすぎてもダメなのですが、重低音の部分は基本的にそこまで必要のないケースが多く、FPSゲームゲームに必要な音だけで良いのならカットするのは正しいと思ってます。
中音域
中音域は他の音に比べて、やや後ろ目に位置するようなイメージです。INZONE E9は結構中音を近めに設定してる気がしましたが、考え方が全然違うのだと思います。
声と背景の音に隙間があるような感じで、鳴ってる場所をハッキリと分けてるから、埋もれたり混在して聞こえたりしないような設計になってますね。音を馴染ませるのではなく、独立させてるようなイメージ。
高音域
高音域は、Knowles製のBAドライバーを1個使ってるだけのイヤホンなのもあって、解像度は最も高い部分になるかなと思います。BAは中高音域を得意とするドライバーですからね。
金属音やガラスが割れる音などが埋もれずに、しっかりと耳に届きます。APEXのようなキャラクターが金属の足でカシャカシャ動くような足音も浮かんできますね。とにかく上に浮かべて聞き逃させない、そんな感じのチューニングです。
ただ、特定のキーンとした音も上に浮かんで結構刺激は強めなので、耳が痛いと感じるレベルの高音ばかりが鳴るゲームもあります。音楽でも同じ現象があったので、とあるゲームでは耳が痛くなるので使えない方もいると思います。
音場(空間表現)と定位(FPSゲーミング評価)

さて、評価していきますが、上流での変化はかなり大きめに感じます。駆動力が物をいうのかな?と思う部分があります。Ωが高いですからね。実際、Fiio K9 PROで聴くと表現力が一気に上がり、音が綺麗に馴染んで粗い部分が消えるので、音を聴く心地良さは圧倒的です。
ただ、このイヤホンはFPSゲーム専用として開発されたような物なので、音楽は聴けなくても良いんですよね。空間表現力も上がるように思いますが、そこまでの上流は用意しなくても大丈夫です。試作機レベルでこのイヤホンの良さは十分に発揮できてると思います。MOTU M2でも十分使えますが、中音域が結構近くなる印象ですね。
一応伝えときますが、更に下のグレードになる所持率が高そうなGamedac GEN2はモジュールが刺さらないので、もし購入を検討している愛用者の方は気を付けてくださいね。モジュール使えないならこのイヤホンを買う必要はありません。
話を戻しまして、何種類かのFPSゲームで使ったのでその話をしていきましょうか。
プレイしたのはAPEX/BF6/Valorant/フォートナイト/シージ(足音動画のみ)ですね。
おそらくValorantを基準に作ってるのだと思いますが、BF6やシージみたいなリアル寄りなFPSゲームも聞き取りやすいチューニングになってます。BF6をプレイした際はビックリするくらい綺麗に音が馴染んでて驚きました。
逆に合わないゲームといえば、APEXは特にダメですね。アーマの割れた音や、銃声が耳に刺さりまくります。このイヤホンのチューニングは意図的に音を縦方向へ浮かばせて分かりやすくしてる部分があるので、その音域と変に被ってしまった場合は耳の奥を突き刺すような高音になり不快感MAXになります。
フォートナイトは多少浮かぶ部分に刺さりを感じる方も出るかもしれませんが、APEXほど酷くないので十分使えます。APEXはそう考えると結構特殊な音響なんですかね。比べると明らかに他と聞こえ方が異なるので、DETECTを使う事でそれがよく分かりました。
それじゃここから軽く、なぜゲーム向けチューニングなのか?を私なりに嚙み砕いていきたいと思います。

- 音を馴染ませるのではなく独立させる
- 音を浮かばせて耳につくように強調する
- 重低音を極限まで無くす
- 余韻/残響を無くし音の立ち上がりを素早く
パッと思いつくのはこんなところですかね。これは何個もイヤホンを聴いてる方じゃないと分からないかもしれませんが、見事に音楽を心地よく聴くイヤホンの逆を行ってます。ここまで理解して製作したHID-Labさん普通にすごくない?と思うレベルです。だってどこのメーカーもやってませんからね。特定のゲームに特化したイヤホン製作も今後出来ると思います。
個人的に1BAではできる表現が限られてると思ってる部分もあり、そのデメリットをデメリットにせず、メリットとして使う事でFPS専用としたんだなと。先ほど伝えた要素に加えて、定位や遠近感もしっかりしてますので、空間表現の部分でも不足感はなかったです。
最後に、付属の「AIMTuneモジュール」ですが、よくこんな物作ったなと。抵抗値を調整してるのか技術的な部分は全然分かりませんが、ゲームの音に最適化するための物。これ無しで聴くと普通のイヤホンっぽい音にはなるんですが、正直この価格の音には聴こえないです。モジュール無しで使う必要はないでしょうね。
同価格帯だと最近推してるTANCHJIMのFOLAがありますけど、APEX以外のFPSゲーム特化なのは圧倒的にDETECTだと思います。逆にFOLAは合わないジャンルが特に思いつかないですね。まだレビューしてませんが…
HID-Labs DETECT 良い点/気になる点

さて、色々なゲームで使う事で良さの見えてくるイヤホンでしたね。良い点/気になる点をお伝えしてまとめに入っていきましょうか。
良い点
- 本物のゲーミングイヤホン
音を気持ち良く聴く要素は無し、FPSゲームでの使いやすさだけに特化してる唯一無二のイヤホン。 - 定位と遠近感の正確さ
敵の位置、距離が手に取るように分かります。音がそれぞれ独立しており馴染んでないので、乱戦でも必要な情報を抜き出して聞けるのはかなりのアドバンテージになります。 - 快適な装着感と取り回し
筐体が極小で、耳掛けでも普通に垂らしてもOK。
気になる点
- あまりにもチープな見た目
もう少しどうにかならなかったのかと思ってしまう外観です。
日本製にこだわると予算が厳しいのだと思いますが… - ある程度の出力が必要
高インピーダンス設計なので、上流を使うの前提となります。 - ゲームによっては耳に刺さる音が多い可能性
特にAPEXは酷く、高音の刺さりが気になる人は買わない方がいいです。
こんな人にオススメ(まとめ)

さて、まとめになります。この「HID-Labs DETECT」は、こんな人にこそ手にしてほしいイヤホンです。
- とにかくFPSで勝ちたい、競技志向のプレイヤー
- オーディオの環境が整っているプレイヤー
- チープな見た目を気にしない
これ以外の人は買わない方が良いです。色々な用途で使うのを想定してる人は他に選択肢があります。FPSゲームでしかイヤホンを使う予定がない人のみが持つべきゲーミングイヤホンです。
音の部分から本気でFPSゲーミング環境をアップデートしたいと考えているなら買って後悔しないでしょうね。もちろんAPEX利用以外の方に限りますけどね。という事で、気になった方はぜひチェックしてみてください。 最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!
















